1号の隣を歩きながら、自分の光線銃にも手を添える。今回の件を通して、これがますます大切で、重要なものだと思えてきた。
さっきまでは1号がこれを持っていて、一度撃ったということもきっと大きい。青色を手に、真っ直ぐに標的を狙い撃つ1号の姿に、魅了された。
ボクが1号の光線銃を使うことと違って、その光景なら、あり得ないことじゃないのかもしれない。ボクは1号がいない世界で生きていける気がしないし、生きていたくないから、先にいってしまうとしたらボクの方だ。もちろん、そう簡単にくたばる気なんてこれっぽっちもないけれど。
でも、ボクが倒れて、この手から落ちた青色の光線銃を1号が拾って、強大な敵を撃ち抜いて——というのは、けっこういいストーリーだと思う。ボク自身の手で敵を打ち倒すという、一番カッコいいことを成し遂げて1号に見てもらうというのが最上の結果だけど、そうすることができなかったボクの無念を1号が晴らしてくれるとしたら、ボクは安らかに天国ってところに行けるだろう。
1号が青色のものを手にするって、いいな。1号には赤がよく似合うけど、二番目に似合う色が青だったらいいな。ボクの色だ! まるで1号がボクのことを想って、自分の意思でボクを傍に置いてくれたみたいでとっても嬉しい。ボクの銃を使った1号を見たときに感じた胸の高鳴りの正体は、きっとそんな気持ちだ。もう既に1号の光線銃には青色が入っているんだから、1号には青色も似合う、っていうのはあながちボクのおめでたい考えじゃないはずだ。青色が1号にもっともっと相応しくなるように、ボクもまだまだ頑張ろう。
そしてボクも、赤色が似合うようになりたいな。今はこの光線銃の目しかないけれど、いつかまた、あのバグみたいな奇跡を。
考えていて気分も乗ったから、ホルスターから相棒を取り出して眺めたり、クルクルと回してみたりする。この華麗な銃捌きは、なんとあの鋭く厳正な審美眼の持ち主である1号のお墨付きだ。それ以降、こうして銃を弄ることは半ばボクの癖のようにもなっているから、隣を歩く1号も気にしていない。
1号の光線銃を構えたとき、1号の後ろ姿みたいだと思った。だけど、ボクのこれの場合は、「みたい」どころじゃない。
記された「2」という数字、青色のボディ、自信ありげに上げられた口角に、斜めに伸びた二つの角、そして——赤々と輝く瞳。ガンマの眼球は黄色い結膜と黒い瞳孔でできているけれど、もしボクの瞳孔が黒以外の何かで染まるなら、きっと赤色になる。いつも1号のことを目で追ってしまっているからな。だから、赤い目をしたコイツは本当にボクそっくりだ。ボクそのものかもしれない。
——というわけで、頼んだぞ、もうひとりのボク。たとえこの身に何かあっても、その本体の代わりに1号を守って、1号の力になれよ。ガンマ2号なら、できるだろ。
小さくとも頼もしい分身に心の中で語りかけ、軽く握った拳でその頭を小突き、約束を交わしてみる。分身はボクのように、ニヤリと不敵に笑っていた。